SPYAIR ベストアルバム『BEST』 2014年11月26日発売

11月26日、SPYAIR史上初のベスト・アルバムがリリースを迎える。その名も『BEST』。去る5月の全国ツアー中断以降ずっと沈黙を守り続けてきた彼らにとって、この作品は、世に溢れるさまざまなベスト盤とは明らかに異なった意味合いを持っている。集大成でもなければ総括でもない。むしろこれは、ある種の“仕切り直し”であり、新しい道を歩んでいくための“リセット”なのだと解釈すべきだろう。

10月中旬のある日、活動再開後初となる彼らとのインタビューを行なった。以前のままの4人であるはずなのに、確実に何かが違っていた。IKEが“あの一件”を振り返りながら、「もう限界まで来ていた」と語れば、KENTAは「誰がそうなっていてもおかしくなかった」と言い、MOMIKENも「それに気付かないふりをして進もうとしていた」と認める。しかしそうした時期を経てきたことで「バンドがあるからこそ生きていけるんだ、ということが改めて理解できた」とUZは言い、全員がうなずく。赤裸々な言葉を躊躇なく吐きだす4人の表情には、一点の曇りもなかった。

彼らとの会話は、地元・名古屋にある栄公園でのフリー・ライヴのことから、4人揃っての初登山のことに至るまで多岐に及びながら、延々と続いた。この『BEST』について、IKEは「このCDで一本のラインを引いて、ここから新たにスタート、みたいな感じで進んでいけたら……」とも語っている。そして、この活動再開後初インタビューの模様は、『BEST』のブックレット内（期間限定封入）でお読みいただけることになっている。バンド史上最大の窮地を抜け出し、確信をもって“次”へと歩みを進めようとしている現在のSPYAIR。11月26日、さまざまな記憶が詰まった曲たちとともに、今現在の彼らの想いが詰まった言葉にも触れて欲しいところだ。

増田勇一

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